入賞作品発表・審査員コメント
NARITA ART RUNWAY2025へのご応募ありがとうございました。
全179の応募作品の中から大賞・佳作・オーディエンス賞に選出した作品を発表致します。
各作品画像をクリック/タップすると、拡大版を表示することが可能です。
大賞・佳作の作品は制作フェーズに進み、9月以降にて成田国際空港内に展示予定です。
作品の紹介と合わせて、審査を担当した5名の審査員からのコメントも掲載いたします。
審査員コメント

田村 明比古
成田国際空港株式会社
この度は、NARITA ART RUNWAYに多くのアーティストの皆様からご応募いただき誠にありがとうございました。それぞれ空港という場所に想いを寄せ、「キャリーケース」をテーマに、自由な発想で表現していただきました。皆様の作品が放つエネルギーは、空港と いう特別な空間に新たな息吹をもたらし、多くのお客様の心に深く刻まれる旅客体験を創り出すことでしょう。「空港でアートと出会う」という新しい文化をともに育んでいけることに、大きな期待と喜びを感じています。皆様の才能が、世界へと羽ばたく一歩となることを私たちも願ってやみません。改めまして、多くのご参加に深く感謝申し上げます。今後の展示についても、楽しみにお待ちください。

田尾圭一郎
「田尾企画 編集室」代表
オランダの人類学者アネマリー・モルは、多様でありながらも重なり合うことで“多層”とはしがたい世界観を「ポストプルーラル」と呼んだ。出国/帰国、離陸/着陸──二元的なBORDER[国境・境]に隔てられ分断と多様性にあふれた世界をつなぐ“空港”で、これらの作品はどのように世界を重ね、和えることができるのだろうか。 最終審査に残ったプランは、どれも“旅”をメタ化し現代社会や思想を重ねることで、深い問いを発する重厚な作品だった。展示を通して、邂逅と混濁、そして対話を生むポストプルーラルな空港が現出するとき、そこにどのような世界観を見出すことができるのだろうか。 ブライアン・イーノのかの名盤が、“Airports”と複数形で示されていたことをふと思い出した。

沼田侑香
アーティスト